季節の変わり目の喘息対策:秋口の咳に気を付けて!

涼しくなってきた今こそ注意!喘息が悪化しやすい秋

「食欲の秋」「スポーツの秋」と楽しみの多い季節ですが、喘息(ぜんそく)をお持ちの方にとっては、実は一年で特に症状が悪化しやすい注意が必要な時期でもあります。

朝晩は涼しくなり、日中との気温差が大きくなる10月頃は、気道が刺激を受けて収縮しやすくなり、咳や「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった**喘鳴(ぜんめい)**が出やすくなります。

季節の変わり目である秋に、なぜ喘息が悪化しやすいのか、そしてどう対策すれば良いのかを解説します。

なぜ秋は喘息が悪化しやすいの?

秋に喘息が悪化する主な要因は、以下の4つです。

1. 激しい寒暖差

秋は日中と朝晩の気温差が大きく、急な気温の低下が起こりやすい季節です。この急激な温度変化が気道の過敏性(刺激への敏感さ)を高め、発作の引き金になります。特に、夜中から早朝にかけては気温が下がり、気道が最も不安定になるため、発作が起こりやすい時間帯として知られています。

2. ダニやハウスダストの増加

夏に高温多湿の環境で大繁殖したダニが、秋になって死骸やフンとなり、ハウスダストとして室内に溜まりやすくなります。これらを吸い込むことでアレルギー反応が起こり、喘息が悪化する大きな要因となります。

3. 秋の花粉症

春のスギ花粉のイメージが強いですが、秋にはブタクサやヨモギなどの雑草花粉が飛散します。これらの花粉がアレルゲンとなり、鼻炎だけでなく喘息発作を誘発することがあります。

4. 風邪などの感染症の流行

気温が下がり空気が乾燥し始めると、風邪やインフルエンザなどのウイルスが広がりやすくなります。喘息をお持ちの方は、これらの感染症にかかることで気道の炎症が一層強くなり、重症化しやすいリスクがあります。

秋の喘息発作を防ぐための対策

季節の変わり目を快適に過ごすために、日常生活で以下の対策を実践しましょう。

1. 室内の環境管理を徹底する

掃除・換気:ダニの死骸やフン、カビを防ぐため、こまめに掃除機をかけ、特に寝具は乾燥機にかけるなどして清潔を保ちましょう。換気も大切ですが、花粉の飛散が多い時間帯は避けましょう。

温度・湿度:冷たい空気は発作を誘発しやすいため、室温を急激に変えないように気を付け、**適度な湿度(50~60%目安)**を保つように加湿器などを活用しましょう。

2. 体を冷やさない工夫と服装

重ね着:朝晩の冷え込みに備えて、カーディガンや薄手の羽織ものなどで重ね着をして、脱ぎ着で体温調節をできるようにしましょう。

睡眠中の防寒:夜中の発作を防ぐため、夏用の寝具から少し厚手のものに変えたり、腹巻などで体を冷やさないように工夫しましょう。

3. 予防接種と治療の継続

インフルエンザワクチン:秋から冬にかけて流行するインフルエンザは喘息を悪化させる最大の要因の一つです。医師と相談し、早めに予防接種を受けましょう。

自己判断での中断はNG:調子が良くても、医師から処方された吸入ステロイド薬などの長期管理薬(コントローラー)は自己判断で中断せず、毎日継続して使用することが最も重要です。

秋口の「少しの咳」を軽視せず、日頃から上記の対策を心がけ、主治医と相談しながら快適な秋を過ごしましょう。