インフルエンザ予防接種、本当に効果あるの?2つの大切な役割

インフルエンザの流行シーズンが近づき、薬局でも「今年はいつ打つのが良い?」「接種してもかかるって聞くけど…」といったご相談が増えています。

インフルエンザワクチンは、「打てば100%かからない魔法の薬」ではありませんが、私たちの健康を守るために、非常に大切な役割を担っています。

今回は、インフルエンザ予防接種の2つの効果と、その仕組みについて、薬剤師が分かりやすく解説します。

1.インフルエンザ予防接種の2つの大きな効果

インフルエンザワクチンが持つ主なメリットは、次の2点です。

🛡️ 効果その1:発症を予防する(かかりにくくする)

ワクチンを接種すると、体内でインフルエンザウイルスに対抗するための「抗体」が作られます。これにより、ウイルスが体内に侵入しても、発病するリスクを減らす効果が期待できます。

ポイント: ワクチンのタイプや、その年の流行株とワクチンの型の「一致度」にもよりますが、発症の確率を約50~60%減少させるという報告もあります。

🏥 効果その2:重症化を予防する(かかっても軽く済む)

これが、特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方にとって最も重要な効果です。

もしワクチンを接種したのにインフルエンザにかかってしまっても、肺炎や脳症といった重い合併症を引き起こしたり、入院が必要になったりするリスクを大幅に下げてくれます。

特に高齢者では、ワクチン接種により死亡のリスクを約80%減少させるという研究結果も出ており、「命を守る」ための重要な役割を果たしています。

2.ワクチン効果はいつから?接種の最適なタイミング

インフルエンザワクチンは、接種してから体内で抗体が十分に作られ、免疫がつくまでに約2週間かかると言われています。

また、効果の持続期間は約5ヶ月間です。

インフルエンザは例年12月下旬から翌年の3月頃にかけて流行のピークを迎えます。そのため、遅くとも12月上旬までには接種を終えておくことが理想的です。

10月中旬~11月頃は、本格的な流行期前に免疫をつけておくための最適なタイミングと言えます。

3.ご自身と大切な人を守るための行動

インフルエンザワクチンは、接種したご自身の体を守るだけでなく、集団での流行を抑え、周りの大切な人(特に乳幼児や高齢者)への感染を防ぐという社会的な役割も持っています。

ワクチン接種と合わせて、手洗い、うがい、適切な湿度(50~60%)の維持といった基本的な感染対策も忘れずに行い、今年の冬も健康に乗り切りましょう。

**「なんとなくダルい」「接種を迷っている」**など、健康やお薬に関するご相談は、いつでもお気軽に薬局の薬剤師にお声がけください。