子供に多い夏風邪!エンテロウィルス
エンテロウィルスと言っても種類は様々。エンテロウィルスとは腸で増殖するウィルスの総称です。
感染経路は経口感染でウイルスに汚染された食べ物や飛沫などで感染します。
アルコール消毒や熱に強い為、一般的には強い消毒抵抗性を示します。 アルコールでの消毒の場合には長時間を要します。 また、熱水(98℃15~20分)で消毒が可能です。
今回はエンテロウィルスによる代表的な病気をご紹介します。
ヘルパンギーナ
子供の夏風邪と言われる病気の一つで5月~8月頃に流行します。コクサッキーウイルスやエコーウイルスなど“エンテロウイルス”と呼ばれるタイプが原因のウイルスとされています。
保育園や幼稚園など乳幼児の集団生活で感染することが多いです。
症状は、発熱・のどの痛み・口腔内の水膨れが発症します。口腔内の水膨れは口を動かすことで破裂して強い痛みを感じるため飲食ができず脱水症状に陥ることも、特に乳幼児は体が小さく脱水症状になりやすいので注意してください。
治療方法としては、ヘルパンギーナのウィルスに対する薬はないため対症療法となります
一般的には数日で回復していきますが、まれに重症化し、骨髄炎や心筋炎を発症した症例があるようですので症状が出たら迷わず病院へ行きましょう。
手足口病
同じく子供の夏かぜの一つで、主な原因ウイルスはコクサッキーウイルスやエンテロウイルスです。
発熱(38℃以下)とともに、手のひらや足のうら、口の中に2~3㎜の水疱が現れます。1週間~10日ほどで自然に治りますが、ヘルパンギーナと同じくのどの痛みのため食欲が落ちるため、脱水に注意が必要です。ヘルパンギーナとの違いはのどだけではなく手足にも水泡が現れるのが特徴で、ヘルパンギーナと同じく特効薬はないため対症療法となります。
急性出血性結膜炎
強い目の痛み、異物感、目の下の結膜に出血性の炎症ができ、目が真っ赤に充血する病気です。エンテロウイルスとコクサッキーウイルスが原因です。出血は時間とともに引いていきます。
今回はエンテロウィルスの代表的な病気をご紹介しましたがいずれも感染力が強く大人にも移ることがあります。お子さんに症状が出た場合は迷わず病院へ行き診断を受けましょう。
登校・登園の時期について
ヘルパンギーナや手足口病は学校で予防すべき伝染病に含まれていませんので症状が回復後、登園・登校が可能ですが、急性出血性結膜炎については第3種の感染症に定められており、病状により医師が感染のおそれがないと認めるまで登校はできません。